・石綿の定義、特性、種類などを把握する!
・石綿濃度の測定方法を知っておく!
① 石綿とは
石綿(アスベスト)は、天然の繊維状ケイ酸塩鉱物の総称です。石綿はその特性から、建材や断熱材などに広く使用されてきましたが、健康への有害性が明らかになり、現在では多くの国で使用が禁止されています。
定義と種類
石綿は、以下の6種類に分類されます:
| 石綿名 | 鉱物名 | 化学組成式 |
|---|---|---|
| クリソタイル(白石綿) | クリソタイル | Mg3Si2O5(OH)4 |
| アモサイト(茶石綿) | グリュネ閃石 | (Mg,Fe)7Si8O22(OH)2 |
| クロシドライト(青石綿) | リーベック閃石 | Na2Fe3+2Fe2+3Si8O22(OH)2 |
| アンソフィライト石綿 | アンソフィライト | Mg7Si8O22(OH)2 |
| トレモライト石綿 | トレモライト | Ca2Mg5Si8O22(OH)2 |
| アクチノライト石綿 | アクチノライト | Ca2(Mg,Fe)5Si8O22(OH)2 |
特性
石綿の特性には以下のようなものがあります:
- 耐熱性: 高温に耐えることができるため、断熱材として使用されました。
- 耐薬品性: 多くの化学薬品に対して耐性があります。
- 引張強度: 非常に強い引張強度を持ち、繊維状であるため紡織性もあります。
- 絶縁性: 電気絶縁性が高く、電気機器の絶縁材としても使用されました。
② 石綿濃度の測定方法
平成元年環境庁告示第93号に基づく石綿濃度の測定方法は、以下の手順で行われます:
装置、器具及び試薬
- 試料の捕集のための装置及び器具:
- 捕集用ろ紙: 直径47mm、平均孔径0.8μmのセルロースエステル製ろ紙
- 捕集用ろ紙のホルダー: 直径47mmの円形ろ紙用ホルダー
- 吸引ポンプ及び流量計: 捕集用ろ紙をホルダーに装着した状態で10l/minの流量が得られる電動式吸引ポンプ及び流量計
- 捕集用ろ紙の収納容器: 捕集用ろ紙を密閉して収納する容器
- 石綿の計数のための装置及び器具:
- 顕微鏡: 倍率40倍の対物レンズ及び倍率10倍の接眼レンズを使用する光学顕微鏡
- スライドガラス: 日本工業規格R3703に定める顕微鏡用スライドガラス
- カバーガラス: 日本工業規格R3702に定める顕微鏡用カバーガラス
- アイピースグレイティクル: 顕微鏡によって観測される繊維の大きさを計測するための装置
- 捕集用ろ紙を透明にするための試薬及び装置:
- 試薬: フタル酸ジメチル及びシュウ酸ジエチル、またはアセトン及びトリアセチン
- 装置: アセトン蒸気発生装置(試薬としてアセトン及びトリアセチンを用いる場合)
測定の手順
- 試料の捕集:
- ホルダーに捕集用ろ紙を装着し、10l/minの流量で4時間通気して試料を捕集します。
- 捕集後、ろ紙をホルダーから外し、直ちに収納容器に収納します。
- 顕微鏡標本の作製:
- 試料を捕集したろ紙を二等分し、一方を試薬を用いて透明にします。
- フタル酸ジメチル及びシュウ酸ジエチルを用いる場合、混合溶液をスライドガラスに滴下し、その上に試料を捕集したろ紙を載せます。ろ紙が透明になったらカバーガラスを載せて固定します。
- アセトン及びトリアセチンを用いる場合、アセトン蒸気を当ててろ紙を透明にし、トリアセチンを滴下してカバーガラスを載せて固定します。
- 石綿の計数:
- 位相差顕微鏡により、長さが5μm以上かつ長さと幅の比が3対1以上の繊維状物質を計数します。
- 計数は50視野について行い、計数繊維数の合計が200本以上になるまで行います。
- 石綿濃度の算出:
- 次式により石綿濃度を算出します。
F=A×Na×n×VF = \frac{A \times N}{a \times n \times V}
ここで、Fは石綿濃度(本/l)、Aは捕集用ろ紙の有効ろ過面の面積(cm²)、Nは計数繊維数の合計(本)、aは顕微鏡の視野の面積(cm²)、nは計数を行った視野の数、Vは採気量(l)を表します。


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