① 一般廃棄物
一般廃棄物は、家庭から排出されるごみや事業系一般廃棄物、し尿などを指し、市町村が処理責任を負う。廃棄物処理法に基づき、収集・運搬・中間処理・最終処分までの一連の処理体系が整備されている。
● 一般廃棄物の排出量と処理フロー(目安値)
一般廃棄物の年間排出量は、全国でおよそ 4,000万トン規模で推移している。 その内訳は、家庭系ごみが約6割、事業系一般廃棄物が約4割を占める。
典型的な処理フローは以下の通り。
- 排出量:約4,000万トン
- 中間処理(焼却・破砕・選別):約3,000万トン規模
- 資源化(リサイクル):約800万トン前後
- 最終処分:約300万トン台
焼却処理が中心であり、焼却率は世界的に見ても高い水準にある。これは国土が狭く最終処分場の確保が難しいこと、衛生面の確保が重視されることが背景にある。
● 資源化
資源化とは、廃棄物を再び資源として利用する取り組みであり、一般廃棄物では以下の方法が代表的である。
- 再生利用:紙、金属、ガラスびん、ペットボトルなど
- 堆肥化:厨芥類を堆肥として農地へ還元
- 固形燃料化(RPF):可燃性廃棄物を燃料として再利用
資源化率はおよそ 20%前後で推移しており、分別収集の徹底が重要な課題となっている。
● 減量化
減量化とは、廃棄物の量そのものを減らす取り組みである。
- 焼却による減容
- 生ごみの水切り
- 食品ロス削減
- 事業系一般廃棄物の分別徹底
特に食品ロスは家庭系ごみの大きな割合を占めるため、削減が強く求められている。
● 最終処分
最終処分場は、管理型・安定型・遮断型に分類される。 一般廃棄物の最終処分量は減少傾向にあるが、最終処分場の残余容量は依然として限られており、長期的な確保が課題である。
② 産業廃棄物
産業廃棄物は、事業活動に伴って発生する廃棄物であり、排出事業者が処理責任を負う。 年間排出量は 3億トンを超える規模で推移しており、一般廃棄物の約10倍に相当する。
● 種類別排出量(上位)
産業廃棄物は20種類に分類されるが、排出量の多いものは以下の通り。
- 汚泥
- 動植物性残さ
- がれき類
- ばいじん
- 廃プラスチック類
これらで全体の大部分を占める。
● 業種別排出量(上位)
排出量の多い業種は以下の通り。
- 建設業(がれき類・汚泥が中心)
- 電気・ガス・水道業(ばいじん・汚泥)
- 製造業(化学・金属・食品など)
- 農林水産業
建設業は特にがれき類の排出が多く、産業廃棄物全体の中でも大きな割合を占める。
● 産業廃棄物の処理フロー(目安)
典型的な処理フローは以下の通り。
- 排出量:約3億7,000万トン
- 再生利用:約50%前後
- 中間処理(焼却・脱水・破砕など)
- 最終処分:数百万トン規模
再生利用率は一般廃棄物より高く、建設リサイクル法などの影響でがれき類の再資源化が進んでいる。
③ リサイクル状況
● 循環型社会形成推進基本法
循環型社会の基本的枠組みを定めた法律であり、廃棄物の発生抑制・再使用・再生利用を体系的に位置づけている。
基本理念
- 資源の消費を抑制し、環境負荷を低減する
- 循環資源は可能な限り有効利用する
- 最終処分は必要最小限にとどめる
● 3R
循環型社会の中心となる概念。
- Reduce(リデュース):廃棄物の発生抑制
- Reuse(リユース):繰り返し使用
- Recycle(リサイクル):再資源化
この順序が重要であり、最も優先されるのは発生抑制である。
● リサイクル率
- 一般廃棄物:およそ 20%前後
- 産業廃棄物:およそ 50%前後
産業廃棄物の方がリサイクル率が高いのは、建設廃棄物など再資源化しやすい物質が多いためである。
④ 越境移動(国際的な廃棄物管理)
● 産業廃棄物管理票(マニフェスト)
マニフェスト制度は、産業廃棄物の不適正処理や不法投棄を防止するための仕組みである。
- 排出事業者 → 収集運搬 → 中間処理 → 最終処分
- 各段階で伝票を交付し、処理の流れを追跡
- 処理終了後、排出事業者に返送されることで処理完了を確認
- 電子マニフェストの普及により管理効率が向上
● バーゼル条約
有害廃棄物の越境移動を規制する国際条約であり、環境上適正な管理を確保することを目的とする。
主な内容
- 有害廃棄物の輸出には、輸入国の 事前同意(PIC) が必要
- 不適正な輸出が行われた場合、輸出国が回収・処理する義務
- 発生国での処理を原則とする
- 日本では国内法により輸出入が厳格に管理されている


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