① ダスト濃度の測定方法
ダスト濃度の測定方法は、日本産業規格(JIS)Z 8808:2013に基づいています。この規格では、排ガス中のダスト濃度を測定するための手順が詳細に定められています。
測定装置と器具
- 捕集用ろ紙: 直径47mm、平均孔径0.8μmのセルロースエステル製ろ紙を使用します。
- 捕集用ろ紙ホルダー: 直径47mmの円形ろ紙用ホルダー。
- 吸引ポンプおよび流量計: 捕集用ろ紙をホルダーに装着した状態で10l/minの流量が得られる電動式吸引ポンプおよび流量計。
- 捕集用ろ紙収納容器: 捕集用ろ紙を密閉して収納する容器。
測定手順
- 試料の捕集:
- ホルダーに捕集用ろ紙を装着し、10l/minの流量で4時間通気して試料を捕集します。
- 捕集後、ろ紙をホルダーから外し、直ちに収納容器に収納します。
- 顕微鏡標本の作製:
- 試料を捕集したろ紙を二等分し、一方を試薬を用いて透明にします。
- フタル酸ジメチルおよびシュウ酸ジエチルを用いる場合、混合溶液をスライドガラスに滴下し、その上に試料を捕集したろ紙を載せます。ろ紙が透明になったらカバーガラスを載せて固定します。
- ダストの計数:
- 位相差顕微鏡により、長さが5μm以上かつ長さと幅の比が3対1以上の繊維状物質を計数します。
- 計数は50視野について行い、計数繊維数の合計が200本以上になるまで行います。
- ダスト濃度の算出:
- 次式によりダスト濃度を算出します。
F=A×Na×n×VF = \frac{A \times N}{a \times n \times V}
ここで、Fはダスト濃度(本/l)、Aは捕集用ろ紙の有効ろ過面の面積(cm²)、Nは計数繊維数の合計(本)、aは顕微鏡の視野の面積(cm²)、nは計数を行った視野の数、Vは採気量(l)を表します。
② 等速吸引と非等速吸引
定義
- 等速吸引: ダスト試料を採取する際に、吸引ノズルを排ガスの流れに直面させ、排ガスと同じ流速でガスを吸引する方法。
- 非等速吸引: 吸引ノズルの流速が排ガスの流速と異なる場合の吸引方法。
デービスの式
デービスの式は、非等速吸引によるダスト濃度の誤差を推定するための式です。以下にデービスの式を示します。
Cn=C×(VVs)αCn = C \times \left( \frac{V}{Vs} \right)^{\alpha}
ここで、Cnは非等速吸引時のダスト濃度、Cは等速吸引時のダスト濃度、Vはダクト内流速、Vsは吸引流速、αは粒子の慣性力に関する係数です。
③ 測定のポイント
測定位置と測定点
- 測定位置: 測定作業が容易かつ安全に行える場所で、排ガスの流れが比較的一様に整流されている場所を選びます。
- 測定孔: 内径10〜15cm程度のものをダクト壁面に取り付けます。
- 測定点: 測定位置に選んだダクトの測定断面の形状および大きさに応じて適当数の等面積に区分し、その区分面積ごとに測定点を選びます。
ダスト捕集部付近
- ダスト捕集部の設置: ダスト捕集部は、ダクト内に設置する場合とダクト外に設置する場合があります。ダクト外に設置する場合は、排ガスの温度が露点以下にならないように保温または加熱します。
- ダスト捕集器の準備: ろ紙を通るガスの見掛けの流速が一般に0.5m/s以下になるように、吸引ノズル内径およびろ紙の寸法を選びます。ろ紙は、105〜110°Cで十分に乾燥し、デシケーター中で室温まで冷却した後、秤量します。


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